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イマージョン教育報告

immersion教育=どっぷり浸かる教育環境の醸成 令和4年度成果報告

都城東高校だからこそできる「イマージョン教育」
1. 英語が飛び交い、自然にそれに親しむ教育環境の存在
フィリピンでは、小学生の頃からすべての教育(現地語の授業を除く)が英語で行われ、小学校ですでに、英語で本を読み、感想を書き、意見交換を英語で行う授業がカリキュラムに組まれています。本校にフィリピンから来ていた留学生たちは、高校入学時に英語が話せて当たり前の状況でやってきていました。そんな生徒が教室にいるのだから、結構なボリュームで、英語が飛び交っていました。留学生の多くが卒業しましたが、現在の生徒も英語に興味関心を抱き、積極的に活動できているところを見るとこの事業を推し進めてきた結果だと考えます。

公益財団法人宮崎県国際交流協会が年に2回発行する、世界の文化や多文化共生等に関する情報を提供する「South Wind(サウス・ウィンド)」に本校が取り上げられました。
グローバル教育を教育の柱の一つとして推進する本校では、様々な国の生徒が在籍しています。そんな多様な文化の中で、全ての生徒を1個人として向き合うために様々な取り組みを行っています。教育現場の多文化共生をテーマに特集していただきました。

2. 授業の中でのimmersionの達成度(体育の授業と総合ビジネスの実践)
① 体育教育におけるイマージョン教育の実態と大きな成果
平成30年からの報告(~令和3年)にも挙げたように、体育におけるエマージョン教育は、キューバのバレーボールナショナルチームの選手・コーチの経験があり、負傷を予防する運動を構築しているマウリセ・トラルバ教諭(R3年度より鹿屋体育大学の修士課程受講中)の存在が大きいです。彼は、日常生活において日本語での意思疎通に苦労はしませんが、授業では40%~50%英語で指導をします。彼の指示が理解できないと次の活動の目的や行動が分からないので、高い集中力をもって英語での指示や説明を聴いて、授業に参加しています。

マウリセ先生は、生徒たちに英語を聴く必然を授業の中で徹底して感じさせています。「なぜこれをやるのか」を丁寧に説明し、納得させてから始めることを大事にしています。
マウリセ先生は励ましの言葉や、注意、指示の変更(進展)も、英語と日本語で行いますが、生徒は難なく対応しています。これは、classroom English そのものだと言えます。記号化するほどの反復がなければ、これは実現できません。こうした英語による指示は、他教科においても徹底されるべきだとさえ考えます。
令和4年4月から男子バレーボール部監督に就任し、18名の部員への指導を行っています。競技におけるプレイやルールはもとより、基本的な会話では英語を使い、部員たちとも日本語も交えたコミュニケーションがとれる指導者です。学力に不安がある生徒でも、体育や部活動を通して英語に対するハードルが下がり、本校の目指す国際人としての素養育成に近づいています。

② 総合ビジネスコースにおけるイマージョン教育の実施と成果

本校の教育の3つの柱が、次の3つです。
① グローバル教育
② デュアル教育
③ 礼節道徳教育

総合ビジネスコースの選択コースの一つがグローバルビジネスコースです。ここでは、「ビジネス英会話」「実用英語検定」「商業科英語スピーチコンテスト」などの取組を行っています。しかし、もう一つのライセンスコースに進んで、資格取得に取り組む生徒でも、「英語のプレゼンテーション」の体験学習ができます。これが、他校とは違う特徴です。そして、この特徴的な取組は、カリキュラム(課題研究)に反映されており、本校が他の学校とは違う効果を生んでいます。

令和2年度から、このJP(課題研究)の成果として、2つの取組を始めています。
1) 通常の英語検定試験に加えて、商業英語検定の受験を始めました。
2) 商業英語弁論大会への生徒の参加を果たし、好成績を収めました。

この取組に大きく貢献しているのが、本校の英語科の教員であるジーン・マイダー先
生と過去に在籍していたフィリピン人留学生と外国籍の生徒達です。特に、2)については、日本語原稿のチェックを、担任と国語科の教員が行いますが、英語原稿への直しや英語特有の論理的構成は、ジーン先生が行います。ジーン先生は、課題研究で表現力を含むパフォーミング英語での指導をしているため、指導には自然に参加しています。こうした取組の成果が、結果に表れたと言えるでしょう。

高英研主催の英語弁論大会の習わしとして、大会前日、職員全員の前でデモンストレーションをします。同じように、総合ビジネスの生徒も、商業英語弁論大会への参加当日の朝、堂々とした、しかも美しい英語の発音でスピーチを披露し、職員から心からの拍手を送られました。大会後に、職員みんなが「おめでとう」「よかったね」と声をかけていたことは言うまでもありません。出場した生徒の発音の良さやスピーチのフローは、実は「日頃から英語に浸っている」から可能なのです。本校の特進、グローバル特進の生徒の模試や入試の結果でリスニングの結果が格段に良いのも、この成果の一つなのです。

3. フィリピンからの留学生だけではない、本校の多国籍の生徒たち

本校には、様々な国籍の生徒が在籍をしていました。フィリピン(卒業)、ウガンダ(卒業)、中国(卒業)、パキスタン、アフガニスタン、そして日本。生徒会長は令和3年度ウガンダ出身であり、テレビや新聞にも取り上げられました。令和4年度の生徒会長もパキスタン出身の生徒が務めています。また、都城市内の子ども会の講演に出かけて、国際交流を担ってくれています。コロナ禍にあり、活動は制限されていますが、感染症対策を万全に行って、可能な範囲で行っています。本校の特徴は、地域在住の外国人の子どもさんにも受け入れていただいており、イマージョン教育の果たす役割は大きいと考えています。

「英語が飛び交う教室、職員室」「英語を介して友達作り」「英語を聞き取ろうとする姿勢なくしては楽しめない授業」そんな目的でもあり、成果でもある取組をぜひ知って下さい。

令和4年度活動実績
○第37回宮崎県商業高等学校英語スピーチコンテスト(宮崎県商業教育研究会主催)
レシテーション(暗唱)の部 優勝  岩崎幸雄(総合ビジネス1年 山之口中)
9月全国大会出場 決勝進出 TOP10

○公益財団法人 宮崎県国際交流協会が主催する、第17回世界とトモダチみやざき国際フェスタが宮交シティ紫陽花ホールで開催され、本校のY・E・A・Hクラブがアフガニスタンの民族ダンスを披露しました。このフェスタは、国際交流や異文化体験をテーマに開催されているもので、各国のブースやアートコーナー、ステージパフォーマンスなどが行われました。
本校からは、アフガニスタン出身のミスバ・ザハラさん(小松原中出身)、ミスバ・ファテマさん(同中出身)が同国の民族ダンスを、同クラブに所属する久木野凜果さん(三股中出身)、顧問のジーン・マイダー先生と共に披露しました。
その煌びやかな衣装と踊りは来場者の目を引き付けていました。

国際学生の実態
〇H28~R3年度 国際学生卒業生数21名(一家転住7名・留学生14名)
〇R3年度     国際学生生徒数 14名(一家転住4名,留学生10名)
○R4年度     海外に血縁を持つ生徒数 16名
(一家転住4名、保護者が外国籍12名)

 

 

immersion教育=どっぷり浸かる教育環境の醸成 令和3年度成果報告

都城東高校だからこそできる「イマージョン教育」
1.英語が飛び交い、自然にそれに親しむ教育環境の存在
フィリピンでは、小学生の頃からすべての教育(現地語の授業を除く)が英語で行われ、小学校ですでに、英語で本を読み、感想を書き、意見交換を英語で行う授業がカリキュラムに組まれています。高校にフィリピンからやってくる留学生たちは、高校入学時に英語が話せて当たり前の状況でやってきます。

そんな生徒が教室にいるのだから、結構なボリュームで、英語が飛び交っています。日本人学生に「英語で話しなさい」と強要するまでもありません。コミュニケートしたければ、英語で話すしかないのだ。彼らの日本語レベルが上がるにつれて、両方の言語が入り交じった状況にどっぷり浸る(immersion)ことができる環境にあります。まずは、日常そのものがそういう状況にあるのです。これは、早い段階でimmersion教育を目指した、学校の留学生支援・受け入れと指定をいただいて確信をもって、この事業を推し進めてきた結果だと考えます。

本校の部活動にはYEAHクラブ(日本人9名・国際学生14名・顧問3名)があり、日本人生徒と留学生が共に活動し、文化祭などでは各国の文化色を盛り込んだ演目を披露してくれます。お互いを高めあう自己啓発プログラム(TEAMBUILDING ACTIVITY)も令和3年度は2回実施しました。(プログラム計画紹介可能)

2.授業の中でのimmersionの達成度(体育の授業と総合ビジネスの実践)
① 体育教育におけるイマージョン教育の実態と大きな成果
平成30年,令和元年,令和2年度の報告にも挙げたように、体育におけるイマージョン教育は、キューバのバレーボールナショナルチームの選手・コーチの経験があり、負傷を予防する運動を構築しているマウリセ・トラルバ助教諭(R3年度より鹿屋体育大学の修士課程受講中)の存在が大きいです。彼は、日常生活において日本語での意思疎通に苦労はしませんが、授業では40%~50%英語で指導をします。彼の指示が理解できないと次の活動の目的や行動が分からないので、高い集中力をもって英語での指示や説明を聴いて、授業に参加しています。

マウリセ先生は、生徒たちに英語を聴く必然を授業の中で徹底して感じさせています。「なぜこれをやるのか」を丁寧に説明し、納得させてから始めることを大事にしています。
マウリセ先生は励ましの言葉や、注意、指示の変更(進展)も、英語と日本語で行いますが、生徒は難なく対応しています。これは、classroom English そのものだと言えます。記号化するほどの反復がなければ、これは実現できません。こうした英語による指示は、他教科においても徹底されるべきだとさえ考えます。
令和4年4月から男子バレーボール部監督に就任し,授業以外でもそのイマージョン教育の拡大効果が期待されます。

② 総合ビジネスコースにおけるイマージョン教育の実施と成果

本校の教育の3つの柱が、次の3つです。
① グローバル教育
② デュアル教育
③ 礼節道徳教育

総合ビジネスコースの選択コースの一つがグローバルビジネスコースです。ここでは、「ビジネス英会話」「実用英語検定」「商業科英語スピーチコンテスト」などの取組を行っています。しかし、もう一つのライセンスコースに進んで、資格取得に取り組む生徒でも、「英語のプレゼンテーション」の体験学習ができます。これが、他校とは違う特徴です。そして、この特徴的な取組は、カリキュラム(JP「実学プロジェクト」などの科目)に反映されており、本校が他の学校とは違う効果を生んでいます。

令和2年度から、このJPの成果として、2つの取組を始めています。
1) 通常の英語検定試験に加えて、商業英語検定の受験を始めました。
2) 商業英語弁論大会への生徒の参加を果たし、好成績を収めました。

この取組に大きく貢献しているのが、本校の英語科の教員であるジーン・マイダー助教諭とフィリピン人留学生たちです。特に、2)については、日本語原稿のチェックを、担任と国語科の教員が行いますが、英語原稿への直しや英語特有の論理的構成は、ジーン先生が行います。ジーン先生は、JPで、英語での指導をしているため、指導には自然に参加しています。こうした取組の成果が、結果に表れたと言えるでしょう。

高英研主催の英語弁論大会の習わしとして、大会前日、職員全員の前でデモンストレーションをします。同じように、総合ビジネスの生徒も、商業英語弁論大会への参加当日の朝、堂々とした、しかも美しい英語の発音でスピーチを披露し、職員から心からの拍手を送られました。大会後に、職員みんなが「おめでとう」「よかったね」と声をかけていたことは言うまでもありません。出場した生徒の発音の良さやスピーチのフローは、実は「日頃から英語に浸っている」から可能なのです。本校の特進、グローバル特進の生徒の模試や入試の結果でリスニングの結果が格段に良いのも、この成果の一つなのです。イマージョン教育の大きな成果は,下記のとおり日本人生徒,外国籍生徒双方に表れています。

令和3年度主な実績
○第65回宮崎県高校英語スピーチコンテスト 「弁論の部」 優勝
※第61回,62回,63回に続いて,2年ぶりに本校から優勝
○第31回九州地区高等学校英語スピーチコンテスト九州大会 第3位
○令和3年度宮崎県外国人住民による日本語スピーチコンテスト 2位
〇TOEIC試験 756点

3.フィリピンからの留学生だけではない、本校の多国籍の生徒たち

本校には、様々な国籍の生徒が在籍をしています。フィリピン、パキスタン、ウガンダ、中国、アフガニスタン、そして日本。生徒会長はウガンダ出身であり、テレビや新聞にも取り上げられました。R3年度の生徒会長もパキスタン出身の生徒が務めています。また、都城市内の子ども会の講演に出かけて、国際交流を担ってくれています。コロナ禍にあり、活動は制限されていますが、感染症対策を万全に行って、可能な範囲で行っています。本校の特徴は、地域在住の外国人の子どもさんにも受け入れていただいており、イマージョン教育の果たす役割は大きいと考えています。

コロナ禍で海外からの留学生の受け入れが厳しくなる中ですが、本校におけるイマージョン教育の灯は綿々と続いています。

「英語が飛び交う教室、職員室」「英語を介して友達作り」「英語を聞き取ろうとする姿勢なくしては楽しめない授業」そんな目的でもあり、成果でもある取組をぜひ知って下さい。

令和3年度活動実績
〇日本語学習支援者養成講座(in 三股町)の受講3名
R3年10月30日(土)~12月11日(土) 土曜日 13:30~16:30
全7回参加(認定証受領)

国際学生の実態
〇H28~R3年度 国際学生卒業生数21名(一家転住7名・留学生14名)
〇R3年度    国際学生生徒数 14名(一家転住4名,留学生10名)

 

immersion教育=どっぷり浸かる教育環境の醸成 令和2年度成果報告

都城東高校だからこそできる「イマージョン教育」

1.英語が飛び交い、自然にそれに親しむ教育環境の存在

フィリピンでは、小学生の頃からすべての教育(現地語の授業を除く)が英語で行われ、小学校ですでに、英語で本を読み、感想を書き、意見交換を英語で行う授業がカリキュラムに組まれています。高校にフィリピンからやってくる留学生たちは、高校入学時に英語が話せて当たり前の状況でやってきます。

そんな生徒が教室にいるのだから、結構なボリュームで、英語が飛び交っています。日本人学生に「英語で話しなさい」と強要するまでもありません。コミュニケートしたければ、英語で話すしかないのだ。彼らの日本語レベルが上がるにつれて、両方の言語が入り交じった状況にどっぷり浸る(immersion)ことができる環境にあります。まずは、日常そのものがそういう状況にあるのです。これは、早い段階でimmersion教育を目指した、学校の留学生支援・受け入れと指定をいただいて確信をもって、この事業を推し進めてきた結果だと考えます。

2.授業の中でのimmersionの達成度(体育の授業と総合ビジネスの実践)

①体育教育におけるイマージョン教育の実態と大きな成果

2018,2019年度の報告にも挙げたように、体育におけるエマージョン教育は、キューバのバレーボールナショナルチームの選手・コーチの経験があり、負傷を予防する運動を構築しているマウリセ・トラルバ教諭の存在が大きいです。彼は、日常生活において日本語での意思疎通に苦労はしませんが、授業では40%~50%英語で指導をします。彼の指示が理解できないと次の活動の目的や行動が分からないので、高い集中力をもって英語での指示や説明を聴いて、授業に参加しています。

マウリセ先生は、生徒たちに英語を聴く必然を授業の中で徹底して感じさせています。「なぜこれをやるのか」を丁寧に説明し、納得させてから始めることを大事にしています。励ましの言葉や、注意、指示の変更(進展)も、英語と日本語で行いますが、生徒は難なく対応しています。これは、classroom English そのものだと言えます。記号化するほどの反復がなければ、これは実現できません。こうした英語による指示は、他教科においても徹底されるべきだとさえ考えます。

またこのイマージョン教育の効果は、集中力やトレーニングの効率化にも及んでおり、生徒たちの授業への参加意欲も高まっています。

②総合ビジネスコースにおけるイマージョン教育の実施と成果

本校の教育の3つの柱が、次の3つです。
①グローバル教育
②デュアル教育
③礼節道徳教育

総合ビジネスコースの選択コースの一つがグローバルビジネスコースです。ここでは、「ビジネス英会話」「実用英語検定」「商業科英語スピーチコンテスト」などの取組を行っています。しかし、もう一つのライセンスコースに進んで、資格取得に取り組む生徒でも、「英語のプレゼンテーション」の体験学習ができます。これが、他校とは違う特徴です。そして、この特徴的な取組は、カリキュラム(JP「実学プロジェクト」などの科目)に反映されており、本校が他の学校とは違う効果を生んでいます。

令和2年度、このJPの成果として、2つの取組を始めています。
1)通常の英語検定試験に加えて、商業英語検定の受験を始めました。
2)商業英語弁論大会への生徒の参加を果たし、好成績を収めました。

この取組に大きく貢献しているのが、本校の英語科の教員であるジーン・マイダー先
生とフィリピン人留学生たちです。特に、2)については、日本語原稿のチェックを、担任と国語科の教員が行いますが、英語原稿への直しや英語特有の論理的構成は、ジーン先生が行います。ジーン先生は、JPで、英語での指導をしているため、指導には自然に参加しています。こうした取組の成果が、結果に表れたと言えるでしょう。

高英研主催の英語弁論大会の習わしとして、大会前日、職員全員の前でデモンストレーションをします。同じように、総合ビジネスの生徒も、商業英語弁論大会への参加当日の朝、堂々とした、しかも美しい英語の発音でスピーチを披露し、職員から心からの拍手を送られました。大会後に、職員みんなが「おめでとう」「よかったね」と声をかけていたことは言うまでもありません。出場した生徒の発音の良さやスピーチのフローは、実は「日頃から英語に浸っている」から可能なのです。本校の特進、グローバル特進の生徒の模試や入試の結果でリスニングの結果が格段に良いのも、この成果の一つなのです。イマージョン教育の大きな成果が、あらゆる場面で表れています。ここで照会したものは、そのほんの一部だと言えるでしょう。

3.フィリピンからの留学生だけではない、本校の外国籍の生徒たち

本校には、様々な国籍の生徒が在籍をしています。フィリピン、パキスタン、ウガンダ、中国、アフガニスタン、そして日本。生徒会長はウガンダ出身であり、新聞にも取り上げられました。また、都城市内の子ども会の講演に出かけて、国際交流を担ってくれています。コロナ禍にあり、活動は制限されていますが、感染症対策を万全に行って、可能な範囲で行っています。本校の特徴は、地域在住の外国人の子どもさんにも受け入れていただいており、イマージョン教育の果たす役割は大きいと考えています。

コロナ禍で海外からの留学生の受け入れが厳しくなる中ですが、本校におけるイマージョン教育の灯は綿々と続いています。

「英語が飛び交う教室、職員室」「英語を介して友達作り」「英語を聞き取ろうとする姿勢なくしては楽しめない授業」そんな目的でもあり、成果でもある取組をぜひ知って下さい。

 

 

教育課程特例校(文部科学省指定校) 英語イマージョン教育2019年度報告

学園としてみる「英語イマ―ジョン教育」の実践とその成果

1 都城東高等学校における英語イマ―ジョン教育について

教育課程特例校の指定を受けてより、高校の「情報」と「保健体育」の授業で日本人および外国人の指導者による指導を行ってきた(TT形式)。また同時に、海外からの留学生(入学)や短期留学の受け入れを継続している。昨年度からの新型コロナウィルス禍によって、こうした外からの動きは止まっているものの、在籍中の留学生は日々笑顔で学習に臨んでいる上に、日本人学生も留学生と一緒に学習や学校生活で様々に交流を深めている模様である。

こうしたグローバルな学校環境を背景に、今後の日本社会を担うであろう生徒に国際感覚を身につけさせ、実践的な英語力・英会話力を習得させる上で、この英語イマ―ジョン教育による授業の展開は重要なものだと捉える。

また、授業時の理解をより深めたい、英語での対話をよりスムーズに行いたいという生徒の気持ちの表れは、英語検定の受験と合格者数の推移に見て取ることができる。ここ数年での大幅なUPを今後も推進していってほしいと望んでいる。

これからの未来を生きる生徒、今後の世界に生きる若者に英語力と国際感覚を教え育んでいけるよう、学校全体の教育活動を通じて取り組んでほしい。

 

2 今後に向けて

高校での検証結果に、英語イマ―ジョン教育を導入しているクラスと、導入していないクラスでの英語検定においての合格状況に若干の差異がみられるというものがある。より詳細にわたって分析も必要な部分であるが、全体的に導入学級の生徒の方が、英語もしくは英会話に対しての苦手意識が少ない印象があるとの報告もある。これらを継続して検証しつつ、今後の力点を探り、具体的手だてを構築できるよう、現場での一層の実践と成果を期待したい。

 

都城東高等学校の「英語イマ―ジョン教育」/2019年度報告

本校の教育目標は、「人格を磨き、確かな学力と技術を身につけて未来を切り開き、社会に貢献できる人材の育成」です。そうしてその目標達成のために掲げているのが「本校の教育の3つの柱(礼節教育・デュアル教育・グローバル教育)」です。
本校ではこのグローバル教育の推進力として「英語イマ―ジョン教育」に取り組んでいます。授業や学校生活のさまざまな場面全体を通して、英語をツールとして使い、単語(語彙)力はもとより、「何となく言っていることが分かる・伝えられる」という感覚的な力まで育てていきたいと願っています。

〔都城東高校として感じるイマ―ジョン教育の成果〕

まずは生徒の中にある「英語は苦手」という意識を減らし、「話せたら楽しい」「自分から話しかけてみる」という喜びやチャレンジ意欲を増やすことから始めている。
その点、生徒たちはクラスの中で、廊下や体育館やあらゆる場所で、お互いに普通の感覚で挨拶し言葉を交わしているので、“いつの間にか”自分の隣に「外国人がいる」環境には慣れてきたようです。
そして現在では、自分の学校には「外国から来た友達がいる」となり、「日本語と英語をミックスして話をしていることが当たり前」になったというように、徐々にスムーズに意識や行動が変化してきた様子がみられます。数値や形に表される成果も必要だが、こうした“身につく感覚的な何か”とも言える部分において、生徒全体に変化が見られたことが何より重要であり、現段階での一番の成果だと感じています。

分かりやすく言えば、本校には宮崎県内各地から、そして県外からも多く入学してきています。言葉(方言)も違えば、地域の伝統や慣習も結構異なっているのですが、生徒の多くは、本校の留学生たちをそれに近い感覚で受け入れているような印象を受けます。実際、英語イマ―ジョン教育の授業(「情報」「保健体育」)に限らず、すべての授業において、お互いに教師の説明等を教え合ったり、グループ活動で話し合ったりしています。逆に英語で教師が説明する際には、留学生が他の生徒をリードするなど、そうした雰囲気は、そこに国境(ボーダー)はないということを物語っています。

今後とも、英語による教授内容や指示等を理解できる語学力を育てながら、実際に学習内容を習得させていく。そして何より、英語が、外国人が、外国・世界がそこにあることを普通の、当たり前のことと思う感覚を培っていきたいと考えています。

 

資料【都城東高等学校の英語イマ―ジョン教育について】

1 英語イマ―ジョンでの授業について(生徒意見集約)


よくわかる:31%  だいたいわかる:43%  少しわからない:21% ほぼわからない:6%

とても楽しい:35% 楽しい:57% あまり楽しくない:5% 楽しくない:3%

〔その他の意見(要約)〕
・英語の時はゆっくりと話してもらえるので分かる。部分的に分からない言葉もあるが、前後の話や活動内容の状態でだいたい判断できる。
・他の授業でもやってもらえると楽しくなりそう。
・留学生と一緒に説明し合うとわかりやすいし、楽しく授業できるからいい。
・顔とか雰囲気で何となく意味がわかるようになるのが楽しい。

 

2 保護者の英語イマ―ジョン教育の授業についての意見


とてもよい:33% よい:62% あまりよくない:4% よくない:1%

〔その他の意見(要約)〕
・文法的なことより、まず簡単な挨拶や会話ができるようになることは大切。
・授業なのだから、分からない時はちゃんと質問したりしてそのままにしない。
・授業内容の大切な部分は、子どもがちゃんと理解しているかの確認をして、分かっていないままに先に進んでしまわないようなチェックをしてほしい。
・2教科だけではなく、他の授業ではしないのか。増やしてもよいのでは。
・今の実施クラス以外に、進学系のクラスでも一週間の何時間かずつくらいをイマ―ジョンの形で授業してもらうとよいのでは。
・教科書にある英語や、試験に出る英語ばかりではなく、説明やジョークまで英語で聞ける機会は大人にはなかなかないので、意味があると思う。

 

資料 過去3年の推移

【分析と評価】
本校が英語イマ―ジョン教育をスタートさせる段階では、英語検定受験はすべて希望者のみでした。そこでイマ―ジョン教育の導入に連動して、生徒が最低でも年1回は受検できるようにしました。結果、より上級の合格への意識の高まりが見られただけでなく、検定を受けることでの英語学習への意識が深まり、また英会話に進んでチャレンジしようという雰囲気が広がってきています。資格取得+英語力UPをめざします。

【分析と評価】
3年前までは、級に関係なく合格者の数は10名程度でした。この3年ほどで、授業での英語イマ―ジョン教育、行事や日常の学校生活での留学生とのふれあいなどを通して、英語環境づくりの雰囲気は出来つつあると感じています。英検の合格者数も着実に増え、簡単な英会話から英検上級合格までその幅はあるけれど、学校全体に「外国語は身近にあるもの」という意識に変わってきた点で、ここまでの取り組みの成果はあると考えています。

【分析と評価】
英検の合格結果について、まず特筆すべきは1級・準1級の合格6名です。およそ3級以上になると難易度が段階的にぐんぐん高くなっていくなかで、準2級から1級までの合格者数14名というのは、とても素晴らしい結果だと思います。
次に、本校入学時に英検に合格したことがなかったという生徒たちが、5級~3級に「チャレンジして初めて合格しました」と笑顔で語っている姿です。私たちは、そんな声を増やしていきたいと思っています。

 

外国人生徒と日本人生徒が入り混じってのオリエンテーション

 

国際交流協会主催の行事に参加しました。

体育授業では、ストレッチの指導を英語で受けました。

 

ウィー校長と英語対談の様子

 

 

 

教育課程特例校(文部科学省指定校) 英語イマージョン教育2018年度報告

【本校が導入する英語イマージョン教育の報告】

(1)特別の教育課程の編成・実施により達成を目指している学校の教育目標との関係

本校は、「5年後、10年後、20年後に都城東高等学校で学んで良かったと思える教育を」スローガンとして掲げ、急速に進むグローバル社会に対応すべく「どんな場所でも、どんな時代でも生きていくことができる」生徒を育成するため、「礼節教育」「デュアル教育」「グローバル教育」の3つの教育の柱を基に教育活動を実践している。

その一環として、英語イマ―ジョン教育を導入しており、同時に、現在21名の留学生を受入れ、学校生活においていつでも英語でコミュニケーションができる環境づくりに取り組んでいる。

今回、英語イマ―ジョン教育を導入した結果、導入していないクラスと比べると、【参考資料1】のような結果が得られた。このことは、英語に触れる機会が多ければ多いほど、生徒が英語イマ―ジョン教育を通して、語学や異文化に対し興味・関心が出てくると考えられる。

また、【参考資料2】では2017年度と2018年度の英語検定の合格率を示したものであり、英語イマ―ジョン教育を導入した2018年度は、英語検定の合格率がアップしていることが分かる。

今後は、4技能から評価できる指標を作成していきたい。

【参考資料1】

 

 

 

 

 

 

【参考資料2】

 

 

 

 

 

 

【授業の様子】
(社会と情報)

 

 

 

 

 

 

(体育)

 

 

 

 

 

課題の改善のための取組の方向性

英語イマ―ジョン教育が生徒に充てる影響として、関心・意欲については成果を得られているが、英語の4技能的観点からの評価方法について検討する必要があり、大学等の教育機関にアドバイスをいただくなど、連携構築に努める。

今後、これら構築した組織で検証した結果を総括して、3年に一度研究発表を実施し、文部科学省へ報告を行う。

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